沖縄三越での出来事…
沖縄三越での話しですが、「松本さんのところは、箪笥の搬入、搬出大変だねー」といわれます。私も入社した当初は、搬入、搬出が大変だった思い出があります。沖縄には箪笥を積んだトラックをフェリーに乗せてトラックごと運んでいます。販売員は飛行機で沖縄まで行き、フェリーが着くところにトラックを取りにいってトラックに乗って沖縄三越に箪笥を搬入します。
四国、九州などは何時間も何日もかけて、トラックを運転していきます。うちの社員の方々は、長時間の運転に慣れていますから大丈夫なんですが、これから自分が物産展を周るときは、最初は大変かもしれません。
今日の朝六時頃に、社長が有明のフェリー乗り場にトラックを取りに行きました。その帰りに東京のお客様のところに挨拶に行ってきたそうです。全国の百貨店で販売しているので、全国周るのが大変ですが、その分、各地の文化に触れたり、お客様のお宅に納品にいったときなど、その土地の名物をご馳走になる時は、何事にも変えられない喜びはあります。
湿気の強いところでは、引き出し調整にお宅にお邪魔致しますが、『会津松本の桐箪笥』が実際にお客様のお宅で使われているのを見た時には、あらためて、「もっとお客様に喜んでもらえる箪笥を作っていこう。」と思います。
会社にもどり、職人の人たちに『会津松本の桐箪笥』が実際に使われていた様子をはなすと、凄く喜んでいました。職人の人たちからいわせると、精魂こめて作った箪笥を納品に出す時は、自分の娘を嫁に出すときの気持ちに似ているといっています。それだけ職人の人たちは真心こめて、汗だくになり、自分の持っている技術を全部一つの箪笥に込めるわけですからその気持ちもわかるような気がします。職人の方々がそれだけの気持ちになれるということは、自分の仕事に一切の妥協をせずに、プライドをもって仕事をしてくださっているということですので、我が会津松本の誇りでもあり、財産だと思います。
これだけの、『職人』さんと、最高の素材『会津桐』でできている、会津松本の桐箪笥をもっともっと全国のお客様に使ってもらいたいと思います。