桐の木がどんな花を咲かせるかご存知でしょうか?
5月中旬ごろ、会津の桐の木が花を咲かせ始めました。
藤の花と咲く時期が近く遠目には似たように見えますが、藤の花の方が少し薄い紫で大きな花穂が下に向けて垂れるのに対し、桐の花は家紋などでもよく取り上げられるように上に向けて伸びます(花弁自体は細長い鐘のような形の先が5つに分かれて下向きに咲きます)。
この時期の会津は山のあちこちで桐の花を見かけます。桐は木のように見えても正確には草の仲間(ゴマノハグサ科、ノウゼンカヅラ科あるいは独立した科とする説もある)であり、その特徴的で美しい花は生花の素材にも使われることもあります。
桐は古来より鳳凰の止まる木として神聖なものとされ、家紋のほか500円硬貨や様々な場所に描かれてきました。桐たんすとなっても、生きている花も凛として美しいのは、古くから日本人の感性に近いものを感じる由縁なのかもしれません。
桜が終わった頃に会津の山道で、あるいは農家の庭の隅に空に向かって咲く紫色の花が見えたらぜひ足を止めて見上げてみてください。桐を身近に感じることができると思います。