今日は職人の技術の一つで『内鍵』を紹介したいと思います。
引き出しの箪笥で、横幅が小さい引出がある場合は『内鍵』という仕掛けを作ることができます。
実際に鍵を掛けるのではなく、横隣の引き出しを抜くと『内鍵』というのが付いていて
その『内鍵』を横にスライドさせることによって隣引出しに挟まり引出がでなくなるという仕掛けです
もしも万が一泥棒に入られてもこれはなかなかわからない仕掛けだと思います。実際に『会津松本』から桐たんすを買っていただいたお客様で、泥棒
に入られたけど『内鍵』をかけていたので大事なものが盗まれなくて済んだというお客様が何人かいらっしゃいました。うちの会社は製造元ですのでど
んなことでもオーダーが効きますので『桐たんす』のご購入を考えていらっしゃられていましたら、ぜひ相談してください。
『内鍵』の他にも『隠し箱』などほかに驚くような箪笥がありますのでまた機会がありましたらぜひアップしたいと思います。
全国でも有名な『会津桐』でしが、実際に『桐たんす』として使用するときは、職人ならではの使い方があります。木というのは長年使っていると水分を
ふくんで変形してきます。特に桐はやわらかく水分を含みやすいので、長年使っていても引出がきつくならないように桐の向きに注意して『桐たんす』を
作ります。
上の画像に桐の木が写っていますが、上面を『木裏』といい、下面を『気表』といいます。
たんす本体に使うときは木裏を外側に、引き出しに使うときは木表を外にします。そうすることによって、もし長年使っていてお互いが反りあっても
引出がきつくならないように工夫して作っています。
このような技術は長年『桐たんす』に携わってやっとわかることだと思います。うちの工場で働いてもらっている『職人』の方々は何十年も
『桐たんす』一筋で頑張ってきてくださったかたがたです。人の手で作られたものは何回壊れても人の手によって直せます、修理するときも
『職人』さんたちは自分の持っている技術をすべてつかって元通りにします。 ホームページにも修理しているところや削りなおししているところを
レポートしたコーナーを近日中に作りますのでよろしかったらみてください。
職人の道具。― 2008/11/14 金曜日
『桐箪笥職人』に限らずに、職人の方々は、いろいろな道具を使って物を作っていきますが、桐箪笥職人ほど鉋(かんな)にこだわる職人はいないと思います。
今は、機械の技術がものすごく発展して、機械で物を作ることが多くなってきていますが、『桐箪笥』を作るには、機械では決して作れません。一本一本桐の硬さや、木目が違う為に職人の方が直に触ってみて、長年の経験で一竿一竿手作りで作っていきます。流れ作業ではなく、一人の職人が最初から最後まで、丹精こめて作っていきます。
桐箪笥を作るのに職人の方々が一番気をつけるのは本体に引き出しを仕込む時です。引き出しと本体には隙間を作らずに、箪笥の中で空気を密封させます、密封させることによって虫食いや、カビを衣類から守るいい桐箪笥が出来ます。口でいうのは簡単ですが、実際に『桐箪笥職人』として一人前になるまでには、十年かかるといわれています。それだけ他の『職人』のかたからくらべても、『桐箪笥職人』は難しいとされています。
『桐箪笥』を作る際に、いろいろな道具を使いますが鉋を使いこなすには、相当な年月が必要になります。というのも『桐箪笥職人』が使っている鉋からは、新聞紙の1/10の厚みほどの鉋くずしか出ません。それだけ桐箪笥を作るうえでは、鉋の高等技術が必要になります。
削りすぎると引き出しががたがたになり、『桐箪笥』の中で空気が密封されません。きつすぎると引き出しが開かなくなります。 職人の方々が一鉋、一鉋調整しながら削っていきます。 このような高等技術は、日本ならではの技術ですので、まさしく『日本の宝』だと思います。