本物箪笥。― 2009/6/26 金曜日
わが社の商品で『本物和箪笥』や、『本物整理箪笥』等がありますが、
値段が他の箪笥に比べ、高価です。その理由はまず材料が違います。
まったくの桐一枚もので、柾目(一列に木目が通っている)です。
上から下まで途切れることなく垂直な材料です。この材料は
丸太一本から本当に限られた枚数しか取れない贅沢な材料です
横から、断面を見ていただくとわかるのですが、まったくの
一枚ものです、厚みも約2cm程あり何回でも削り直しができます。
材料のほかにも、本体の引き出しの組み方や作りも、他の箪笥
よりも頑丈に出来ています。
その本物箪笥が今月は『特価品』として、一竿でていますのでぜひ、
ご覧になってみてください。
下の画像は引き出しを開けて、表面の板と側面の板です。
凸凹に、ノミ(彫刻等)で隙間なく、組み込んであります。
凸凹にすることによって金釘を使わずに、横からあて木を置いて金槌ではたく
だけで入っていくようにきつすぎず、ゆるすぎないように微妙なサイズ
に削っていきます。親子三代にわたって使っていただくためには、金釘を
一切使わずに作る必要があります、金釘を使うと鉄が錆び、そこから
桐にも腐食してひびが入ったり割れが入ってきてしまいます
引き出しの後ろの板、本体の側面の板等にもこの技術が使われています。
今日は特注品の椅子を紹介します。
沖縄のお客様にいただいたご注文品なのですが、以前テーブルの
ご注文をいただいてわが社で作らせていただいたのですが、
そのテーブルに合う椅子ということでご注文をいただきました。
普通、一色で作るのですが今回の椅子は座面が焼きのウレタン仕上げ、
柾板が無塗装、足が通常の焼き仕上げと三色で仕上げました。
青い部分はマスキングテープです、まだ塗料が乾いていないので
はがすことができませんがマスキングテープを剥がすと自然な天然の
塗料だけで仕上げた色のグラデーションの様な感じになります。
お客様には完成予想図しかまだご覧になっていただいていませんが、
実物を見たら気に入っていただけると思います。
こういった背もたれのない椅子から、背もたれのある椅子、オットマン付の
椅子なども作れますので、自分だけの特注の椅子がほしいと思って
いらっしゃいましたら一度ご相談ください。
今回紹介するのは、『踏み台』の特注です。 幅 35cm に 高さ 25cm という小ぶりの『踏み台』になります、
踏み台のサイズはお客様がよくお使いになる高さに合わせたご注文をよくいただきます。
踏み台の中に引き出しなどをおつけすることもできますし、軽くするために軽量化することもできます。
御客様のどんなお声にも対応できるように致しますので、ぜひ特注物がほしい場合はご相談ください。
今回出来上がったのが特注で注文をいただいた刀入箱です。
一月に草津市近鉄百貨店でK様にご注文をいただいて先ほど出来上がりました。
幅 118cm 奥行き 45cm で二段引出衣装箱に似ているのですが刀が入るサイズに幅を広げました。
引き出しの真ん中に鍵を一段づつ付け、とっては二段引出衣装箱と同様の作りです。
塗装は一切せずに桐本来の木目の美しさを表面にだしました。 いままでも何度か刀入箱のご注文をいただいたことがありわが社としても
これから定番化していきたいと思っていた商品でした、刀入箱の他にも茶卓や三味線入れなどがほしいというお客様のお声があり今まで何度か
作ってみたのですが、お客様によって好みがあり定番化するには少し難しい部分がありました。でも今回の刀入箱でしたら、
デザインも飽きのこないシンプルなものですので多くのお客様に喜んでいただけると思います。 中仕切りなども後からお付けすることもできますし
サイズの変更もききます、 箪笥以外にも作ってほしいものがございましたらぜひ一度お尋ねください。
全部組み立てが終了しました。 小さい引出が二つに大きい引出が一つ、変形二段引出衣装箱です。
まったく隙間がなく作られているので、桐箪笥特有の、一つの引き出しを入れると片方の引き出しがでてくるという仕組みが二段引出衣装箱でも
再現されています。
二段引出衣装箱は通常は金具がなく溝に手を入れて引出をだす形状になっています。
そのため飽きのこないデザインになっているのでとても人気があります。金具をつけることももちろんできますので、そういった場合はご相談下さい。
桐箪笥職人が、この時点で終了してこれからは色付けの工程に入ります。色付けが終了したらまた掲載しますので見てください。
本体が出来上がったので、引き出しに移ります。まず引出しの前板を本体に隙間なくぴったりにはまるようにかんなで大き
さを調整します。この段階が一番難しいといっても過言ではないと思います。 この時点で隙間ができると最後に仕上げを
するときにまた削るので引出がスカスカになってしまいます。
画像を見ていただくとわかるのですが、引き出しと前板に隙間なくはさまっています。
次に引出しの側板です、下の画像は引き出しの側板の後ろの部分になります。凸凹になっていますこれもかなりの技術が
必要になります。前がぴったりとはさまっていても後ろがあいていたらまったく意味がないので後ろも細心の注意をしながら
作っていきます。
次は後ろ板になります。後ろ板の底に底板をつけたところです。この作業も隙間ができないようにぴったりとくっつけます。
他の家具を比べていただくとわかりますが、桐たんすには全く空気の抜け道がありません。そのため湿気から衣類、お着物
をお守りすることができます。せっかく箪笥を置くなら絶対に私は桐箪笥をお勧めします。これだけの技術は桐箪笥職人に
しかだせない技術です。次回は組み立てが完了したところを掲載しますのでぜひ、見てみてください。
加工したものを組み立ててみました。 はめ込むだけですが慣れていないとはめ込んだ後に隙間ができていたり、うまくくっ
つかなかったりと、結構技術が必要になります。画像を見ていただけるとわかるのですが一切の隙間がなく作られていま
す。桐箪笥は隙間を作らずに完全に空気を密封してカビや虫食いなどが起こらないようにするというのが特徴ですので、組
み立ての段階はなかなか気を使います。隙間があいていると空気漏れを起こす原因になります。
下の画像が組み立てた画像です。左に大きい引出が一つ、右に小さい引出が二つです。
組み立てが終わったら次は引き出しを作ります。
今回からお客様から注文をいただいた特注箪笥ができるまでを、順を追ってレポートしていきたいと思います。
今回作ることになった特注タンスは割と小ぶりのもので、二段引出衣装箱のような形状をしています。 わが社でも一番人
気の二段引出衣装箱の引き出しを左半分は深い一段にして、右側に子引出二段作るという形状です。
まず、木取り職人が大まかに桐の板を切り、その材料で桐箪笥職人が最初から最後まで受け持つことになります、流れ
作業ではないので、一竿、一竿、職人の方が作り上げていきます。 今日は、木取り職人の方から受け取った材料を、組み
立てができる状態にしたところを紹介したいと思います。
桐箪笥という家具は、釘を一切使わずに作り上げます、その分時間も技術も他の家具よりもかかります。その一例がこの
写真です、本体の側板と本体の天板です。
①
②
凸凹にすることによって頑丈な作りの家具に仕上がります。簡単そうに見えるのですがこれがとても難しく、少しでも板が
まがっていたりすると、引き出しが中まで入っていかないですし、凸凹に隙間ができてもあまりいい桐箪笥とは言えません、
ですから一人前の桐箪笥職人になるまではかなりの年月が必要といわれています。次回は本体が組みあがったところをア
ップしていきます。
今日は、『隠し箱』という仕掛けをご紹介します。 隠し箱といういのは一番下の引き出しを抜いて本体の一番下の板のところにA4サイズの箱をわか
らないようにつけたものです。 箱の蓋と周りの木目が同じためによーくと見ないとわからないようにできています。 もちろん製造元ですので、隠し箱
のサイズを変更したりすることも可能です。
上の画像の丸で囲った部分にうっすら四角い切れ目があります。
右側を軽く下に押してあげると左側が持ち上がるという仕掛けになっています。
A4サイズの深さは10cm位の箱がでてきます。『内鍵』といっしょで万が一泥棒に入られてもこの仕掛けもなかなか気付くことはなかなかないと思い
ます。うちで扱っている『桐箪笥』には全て付けられますので、いつでも相談してください。なかには二つつけてほしいというお客さまもいらっしゃいまし
た、サイズも大きくしたり、小さくしたりすることもできますのでぜひ一度使ってみてください。
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