まず最初に『木取り』という工程にはいります。
木取り職人が大まかな大きさに材料を切っていきます。お客様にご注文を頂いたサイズより少し大きめのサイズに切って桐たんす職人にたんすの材料を配ります。
ただ単に大きめに切るのではなく、木目を意識し適材適所に切っていきます。たんすを作るうえでとても重要な工程の1つです。
木取り職人から材料を預かったら、後は桐たんす職人が最初から最後まで一人で作っていきます。流れ作業では出来ない凄く繊細な技術が組み込まれています。
最初に本体を作り本体が出来上がったら本体より少し大きめに引き出しを作り、かんなで少しずつ削り、本体に仕込んでいきます。
たんすを作る際にとても気をつける工程はやはりホゾ組みです。
(凸凹に)金釘を一切使わずにホゾ組みだけでたんすを作ります。宮大工と桐たんす職人だけが使えるとてもレベルの高い技術になります。
引き出しを仕込む際は引き出しがゆるくならないように少し削っては本体に入れて、削って入れての繰り返しの作業になります。
引き出しがキツイと梅雨時や湿気の強い時期に引き出しが抜けなくなってしまうので、キツ過ぎずゆる過ぎない調整がとても難しく、一人前の桐たんす職人になるのには20年かかるといわれています。
引き出しの後ろ板に引き出しの番号が書いてあります。
番号どおりに引き出しを入れていただかないと引き出しは入りません。その位引き出しが厳密に、精巧に作られているので番号を間違って入れると引き出しがきつかったりゆるかったりします。
引き出しを仕込み終わると、本体。引き出しの表面にかんなをかけて仕上げます。
桐たんす職人が使うかんなからでるかんなくずは新聞紙の10分の1の厚みといわれています。削れるか削れないかの微妙な刃の出し具合でかんなのかかり具合が違ってきます。
薄く削ることによって桐に光沢がでてきます。
逆に刃を出しすぎると逆目がでてザラザラしてきます。また、桐は柔らかいので刃を頻繁に研がないと綺麗にしあげることが出来ないのでとても時間のかかる作業の1つです。